ComfyUIでFLUX LoRAを適用する手順とトラブル対処

ComfyUIでFLUX LoRAを適用する手順とトラブル対処

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ComfyUIでFLUXモデルにLoRAを適用する際、つまずくポイントの多くはファイルの配置先とノード構成にあります。SDXLのLoRA適用と似ているようで、ローダーの種類とノードの繋ぎ方が異なります。この記事では、必要ファイルの配置から、LoRAノードの接続、推奨設定値、よくあるエラーの対処まで、手順を順番に整理しました。

必要なファイルを揃えて正しい場所に置く

FLUX + LoRAを動かすには、最低4種類のモデルファイルとLoRAファイルが必要です。それぞれ置き場所が決まっているため、1つでもずれると認識されません。

ファイル種別 用途 配置先(ComfyUIルートからの相対パス)
FLUXトランスフォーマー(.safetensors) 拡散モデル本体 models/unet/
CLIP-L(.safetensors) テキストエンコーダ① models/clip/
T5XXL(.safetensors) テキストエンコーダ② models/clip/
FLUX VAE(ae.safetensors) 潜在空間のエンコード・デコード models/vae/
LoRAファイル(.safetensors) スタイル適用 models/loras/

ライセンスの確認を先に済ませてください。 FLUX.1-schnellはApache 2.0で商用利用可、FLUX.1-devは非商用ライセンスです(執筆時点)。商用案件に使う場合はschnellを選ぶ必要があります。

T5XXLはfp16で約9GBと非常に大きなファイルです。ダウンロード先としてはHugging FaceのBlack Forest Labsリポジトリやcomfyanonymousのリポジトリが案内されていますが、URLは変更される可能性があるため、ComfyUI公式ドキュメントまたはComfyUI Managerで確認することをお勧めします。

ファイルを追加した後は、ComfyUIのRefreshボタンを押してください。再起動しなくても認識されます。Refreshで認識されない場合は配置先フォルダを再確認してください。

FLUX向けワークフローのノード構成

ComfyUIでFLUXを扱う場合、通常のCheckpointLoaderは使いません。トランスフォーマー・テキストエンコーダ・VAEを別々のローダーで読み込む構成です。

ノードの追加手順

  1. UNETLoaderを追加 → unet_nameドロップダウンでFLUXのsafetensorsファイルを選ぶ
  2. DualCLIPLoaderを追加 → clip_name1にCLIP-L、clip_name2にT5XXLを指定。typeはfluxを選択する
  3. VAELoaderを追加 → ae.safetensorsを指定
  4. CLIPTextEncodeを追加 → DualCLIPLoaderのCLIP出力を繋ぐ
  5. FluxGuidanceを追加 → CLIPTextEncodeのCONDITIONING出力に繋ぎ、guidance値を設定する
  6. KSamplerを追加 → UNETLoaderのmodel出力、FluxGuidanceの出力、VAELoaderを接続する
  7. VAEDecode → SaveImageを繋いで完成

ネガティブプロンプトはFLUXでは機能しません。 KSamplerのnegativeに空のCLIPTextEncodeを繋いでも問題ありませんが、効果はありません。

FluxGuidanceはSDXLのCFGスケールに相当するノードです。FLUXにはCFGという概念がなく、このノードのguidance値でプロンプトの適用強度を制御します。

LoRAノードの挿入方法

LoRAの適用には標準のLoraLoaderノードを使います。挿入位置はUNETLoaderとKSamplerの間です。

UNETLoader
  ↓ model
LoraLoader  ← lora_nameでLoRAファイルを指定
  ↓ model
KSampler

LoraLoaderはmodelとclipの2本の入力を受け取り、それぞれLoRAを適用した状態で出力します。DualCLIPLoaderのclip出力もLoraLoaderに一度通してからCLIPTextEncodeへ繋ぐと、CLIPエンコーダにもLoRAが反映されます。

複数のLoRAを重ねる場合はLoraLoaderをチェーンで繋ぎます。

UNETLoader → LoraLoader_A → LoraLoader_B → KSampler

strength値の目安

パラメータ 意味 目安の値
strength_model モデルへの影響度 0.6〜1.0
strength_clip CLIPエンコーダへの影響度 0.6〜1.0

過学習気味のLoRAや強いスタイルを持つLoRAは0.5前後から試し、0.1刻みで調整することで、変化を把握しやすくなります。最適値はLoRAの学習内容や環境によって変わります。

推奨設定値(schnell・dev別)

FLUXはSDXLと設定の考え方が異なります。CFGスケールを設定する箇所がなく、FluxGuidanceノードのguidance値でプロンプトの適用強度を指定します。

設定項目 FLUX.1-schnell FLUX.1-dev
steps 4〜8 20〜30
guidance(FluxGuidance) 3.5 3.5
sampler euler euler
scheduler simple または sgm_uniform simple
解像度の目安 1024×1024 1024×1024

FLUX.1-schnellは少ないステップ数で動作するよう設計されています。以前、LCM-LoRAを使ってSteps 6・CFG 1.5という設定で高速生成を試みたことがありましたが、FLUXのschnellはそのような追加の工夫なしに最初から少ステップで動作するモデルです。

解像度は1024×1024が基本ですが、縦長・横長の場合も総ピクセル数を1024²(約104万ピクセル)前後に保つと崩れにくいとされています。ただしこれは一般的に言われている目安であり、環境によって異なります。

よくあるエラーと対処

モデルがドロップダウンに表示されない

ファイルを追加した後にRefreshを実行していない場合がほとんどです。ComfyUIの右クリックメニューまたは画面上部のメニューからRefreshを実行してください。再起動は不要です。

『model not found』エラーが出る

  • FLUXトランスフォーマーをmodels/checkpoints/ではなくmodels/unet/に置いているか確認する
  • ファイル名に全角文字やスペースが含まれていると読み込みに失敗することがあります。半角英数字とアンダースコアに統一するのが安全です

T5XXLでVRAM不足になる

T5XXLはfp16で約9GBを消費します(執筆時点の仕様)。VRAM容量が少ない環境では以下を検討してください。

  • GGUF量子化版のT5XXLを使う(VRAMを抑えられますが品質とのトレードオフが生じます)
  • ComfyUIを--lowvramオプションで起動する

処理速度やVRAM消費は環境によって大きく異なります。

LoRAの効果が出ない

  • LoraLoaderのstrength値が0.0になっていないか確認する
  • LoRAのフォーマットがFLUX向けかどうか確認する。SD1.5やSDXL向けLoRAはFLUXには適用できません。Civitaiなどからダウンロードする際は「FLUX.1対応」と明記されているファイルを選ぶ必要があります

まとめ

ComfyUIでFLUX LoRAを動かす流れは、①必要ファイルを正しいフォルダに配置、②UNETLoader・DualCLIPLoader・VAELoaderで個別に読み込み、③LoraLoaderをUNETLoaderとKSamplerの間に挿入、④FluxGuidanceでguidance値を設定、の4ステップです。SDXLとの最大の違いはCFGノードを使わずFluxGuidanceノードを使う点です。

まずLoRAなし(strength_model=0)で生成が通ることを確認してから、LoRAを有効にして変化を比べると問題の切り分けが早くなります。動作が確認できたら、strength値を0.1ずつ変えながら自分の用途に合う値を探してみてください。

よくある質問

FLUX LoRAはSDXL向けLoRAと同じファイルを使えますか?

使えません。FLUXとSDXLはアーキテクチャが異なるため、SDXL向けLoRAをFLUXに適用しても効果は出ません。Civitaiなどからダウンロードする際は「FLUX.1対応」と明記されたファイルを選んでください。

FLUX.1-schnellとFLUX.1-devはどちらを使えばよいですか?

商用案件にはschnellを選んでください。執筆時点でschnellはApache 2.0ライセンスで商用利用可能ですが、devは非商用ライセンスです。個人利用かつ品質優先であればdevのほうが細部の描写に優れるとされています。

ComfyUIでFLUXを動かすのに必要なVRAM容量はどのくらいですか?

T5XXLだけでfp16換算で約9GBを消費します(執筆時点)。GGUF量子化版を使うとVRAMを削減できますが品質とのトレードオフが生じます。必要なVRAM容量はモデルの量子化レベルや解像度によって変わります。

FLUXでネガティブプロンプトは使えますか?

FLUXはネガティブプロンプトを使わないアーキテクチャです。KSamplerのnegativeに空のCLIPTextEncodeを繋いでも問題ありませんが実際には効果がありません。プロンプトの強さはFluxGuidanceのguidance値で調整します。