古着Tシャツの年代の見分け方|タグで確認する6つのポイント

古着Tシャツの年代の見分け方|タグで確認する6つのポイント

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古着のTシャツを手に取ったとき、「これはいつ頃のものだろう」と思ったことはないでしょうか。タグには繊維製品の法規制の変遷や業界慣習が記録されており、複数の項目を照らし合わせることで製造時期をある程度絞り込めます。この記事では、タグで確認すべき項目とその根拠を整理します。

タグが「製造年代の記録」として機能する理由

Tシャツのタグは単なるブランド表示ではなく、製造時点で法的に義務づけられた情報が載っています。米国では繊維製品に関する法規制が1950年代〜1970年代にかけて段階的に整備されたため、「特定の情報が記載されている・されていない」という事実そのものが、製造時期の上限または下限を示す根拠になります。

日本製の古着は別途JIS規格の変遷を参照する必要がありますが、ここでは古着市場で多く流通するアメリカ製ヴィンテージTシャツを中心に解説します。

年代別タグ変化の早見表

年代の目安 タグに現れる変化 根拠
〜1959年以前 素材表示なし 繊維表示法(1960年施行)以前
1960年〜 素材表示(Cotton 100%など)が登場 繊維表示法対応
〜1971年以前 ケアラベルなし FTC Care Labeling Rule(1972年7月施行)以前
1972年7月〜 ケアラベルが存在する FTC義務化以降
〜1995年 ILGWUなどユニオンラベルが存在しうる ILGWU解散(1995年合併)以前
〜1990年代前半 シングルステッチ仕様が多い 量産品での業界慣行変化
2000年代〜 タグレス(熱転写)が普及 大手ブランドが順次導入

この表はあくまで「その条件が存在する場合の推定範囲」です。単独では確定材料になりません。複数を組み合わせて「○年以降・○年以前」という範囲を絞るために使います。

タグで確認する6つの項目

素材表示の有無

米国では1960年施行の繊維製品表示法(Textile Fiber Products Identification Act)が、州をまたいで販売される繊維製品に対して繊維の種類と比率の表示を義務づけました。「Cotton 100%」「50% Cotton 50% Polyester」のような素材表記がないアメリカ製Tシャツは、1960年以前に製造されたことを示します。逆に素材表示があれば1960年以降の製造です。

ケアラベルの有無

米国連邦取引委員会(FTC)のCare Labeling Ruleは1972年7月3日以降に製造・販売される繊維製品にケア(洗濯)表示を義務づけました。「Machine Wash」「Do Not Bleach」などの記載や洗濯絵表示がないTシャツは、1972年7月3日以前に製造されたことを意味します。ケアラベルがあれば1972年7月以降の製造です。

RN番号(Registered Number)

タグに「RN XXXXX」という番号が記載されていれば、FTCに登録された製造業者・輸入業者の識別番号です。1952年頃から発行が始まったとされており、FTCの公式データベース(執筆時点では ftc.gov/textile)で番号を入力するとブランド名・登録者情報を照会できます。

番号が小さいほど古い登録とおおむね言われていますが、登録時期はブランドによって異なるため、RN番号単体で製造年を確定することはできません。参考情報のひとつとして活用してください。

より古い識別子としてWPL番号(Wool Products Label)があります。主にウール含有製品に使われた番号で、RN番号より古い時代の製品に見られることがあります。

ユニオンラベル

タグや縫い目の近くに、ブランドとは別の小さなラベルが縫い付けられている場合があります。これがユニオンラベル(労働組合ラベル)です。

代表例はILGWU(国際婦人服労働組合)で、1900年に設立され1995年にACWA-TWUAと合併してUNITEとなりました。ILGWUのラベルが付いているTシャツは1995年以前に製造されたことが確認できます。ACWAや後継のACWA-TWUAのラベルも同様に参考になります。

ただしユニオンラベルは組合加盟工場での製造を示すものであり、すべての米国製Tシャツに付いているわけではありません。付いていなくても1995年以前の製品を否定するものではありません。

シングルステッチとダブルステッチ

袖口や裾の折り返し部分のステッチが1本針(シングルステッチ)か2本針(ダブルステッチ)かも年代の目安になります。シングルステッチはコストが高い仕様で、1990年代前半頃を境に量産品の多くがダブルステッチに切り替わったとされています。そのためシングルステッチのTシャツはおおむね1990年代半ば以前の製造と判断されることが多いです。

ただしこれは法的な規制ではなく業界慣行の変化であり、ブランドや製品グレードによって時期がずれます。確定材料ではなく補完的な情報として扱ってください。

確認箇所は脇の縫い目ではなく、袖口の折り返し・裾の折り返しです。1本の縫い目ならシングルステッチ、2本の平行する縫い目ならダブルステッチと判断します。

タグの形式と印刷方式

タグの形式も時代を反映します。

  • 織りタグ(ウォーブンラベル):糸で文字を織り込んだタグ。長らく業界標準でした。
  • スクリーン印刷タグ:布タグに印刷したもの。1980年代後半〜1990年代に増加しはじめます。
  • タグレス(熱転写):タグを縫い付けず、首元の内側に直接プリントする方式。Hanesが2003年頃から導入を始めたと一般的に言われており(執筆時点では公式一次資料を確認できていません)、タグレス仕様であれば2000年代以降の製品とみておおむね外れません。

タグだけでは確定しないケース

タグ情報には次のような限界があります。

タグの付け替え・補修:リメイクや補修でタグだけ交換された可能性があります。タグの縫製糸の色・太さ・ほつれ方が本体と明らかに異なる場合は要注意です。

在庫品として長期保管されてから販売:製造から数年後に市場に出た品では、法定義務から「○年以降」は確かでも製造の上限は分かりません。

非正規流通・並行輸入品:法定表示が欠けている場合、正規流通品でない可能性や製造時期が不明なケースがあります。

スウェットやフリース素材の古着の年代判定については、ヴィンテージスウェット裏起毛の見分け方で素材・タグ・状態の観点から整理しています。素材の質感やステッチの状態と合わせて確認すると、年代判定の精度が上がります。

まとめ

古着TシャツのタグはRN番号・素材表示・ケアラベルの有無・ユニオンラベルの4点を確認し、それぞれの法規制の施行年と照らし合わせることで「○年以前・○年以降」の範囲を絞り込めます。シングルステッチやタグの形式は補完的な情報として加えてください。いずれの情報も単独では確定材料にはならず、複数を組み合わせて範囲を絞るのが基本です。

まず手元にある古着TシャツのRN番号をFTCのデータベースで検索してみてください。ブランドの登録情報が分かるだけで、他の情報との照合がぐっとやりやすくなります。

この記事で触れたもの

よくある質問

RN番号はどこで調べられますか?

FTCの公式サイト(執筆時点ではftc.gov/textile)でRN番号を入力すると、登録した会社名・登録者情報を確認できます。URLは変更される可能性があるため、「FTC RN number textile search」で検索して最新のページを確認してください。

Made in USAと書いてあれば古い年代と判断できますか?

原産国表示の義務化は1971年頃とされますが、それ以前から自主的に表示していたブランドも多く、Made in USAの表示だけでは年代の確定材料になりません。RN番号・ケアラベルの有無・ユニオンラベルと組み合わせて判断してください。

日本製の古着Tシャツはどう年代を見分ければいいですか?

日本製の場合は洗濯表示(JIS規格)の変化が参考になります。2016年のJIS改訂(JIS L 0001:2014)で絵表示が大幅に変わったため、旧絵表示が使われていれば2015年以前の製品と判断できます。ただし旧表示を使い続けていた在庫品もあるため、他の情報と合わせて確認してください。