コーデュロイ太畝・細畝の見分け方|70s・80s年代判定ガイド

コーデュロイ太畝・細畝の見分け方|70s・80s年代判定ガイド

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コーデュロイの古着を手に取ったとき、「これは太畝?細畝?」「70年代なのか80年代なのか」と迷ったことはないだろうか。畝の幅はスタイルの印象を大きく左右するだけでなく、製造年代を推定するための手がかりにもなる。この記事では畝の定義と正確な数え方から、70年代・80年代それぞれの特徴、ラベルを使った年代絞り込みまでを整理する。

コーデュロイの「畝」とは何か

コーデュロイは縦方向に走る隆起した線(cord / rib)が特徴の綿織物だ。この隆起を日本語では畝(うね)と呼ぶ。英語では wale(ウェール)と表現し、1インチ(約2.5cm)あたりの畝の本数を WPI(wales per inch) で表す。

WPIが小さいほど畝が太く間隔が広い(太畝)、WPIが大きいほど畝が細かく密集している(細畝)という関係になる。

呼び名 WPIの目安 印象
太畝(ふとうね) 4〜8本前後 溝が深く、立体感・存在感が強い
中畝(なかうね) 11〜14本前後 汎用的な「普通のコーデュロイ」
細畝(ほそうね) 16〜21本前後 繊細で滑らか、スエード調に近い

「太畝」「細畝」の境界線に業界統一の定義はなく、文脈によって指す範囲が変わることがある。購入判断には自分でWPIを確認するのが確実だ。

WPIの正確な数え方

必要なのはメジャーか定規だけだ。

  1. 生地を平らな面に置く(引っ張ると畝が詰まって正確に測れない)
  2. 畝の方向に対して垂直に、1インチ(2.5cm)分の範囲を定規で当てる
  3. その範囲に収まる畝の頂点の数を数える(溝ではなく出っ張りを数える)

1インチが測りにくい場合は2〜3インチで数えてから割り算すると誤差が減る。照明は斜め横から当てると畝の立体感が増して数えやすい。

オンラインで古着を買う場合は出品写真から「明らかに太い」「繊細でほぼ平ら」という印象をつかみ、不明な点は出品者に質問するのが現実的だ。Dickies 874のサイズ選びでも触れているように、古着は実寸や現物確認が基本であり、コーデュロイの畝数も同様だ。

70年代コーデュロイの特徴

70年代のアメリカ古着では、WPI 4〜8本程度の太畝コーデュロイが主役だった。「ジャンボウェール」「ジャンボコード」と呼ばれる極太畝(WPI 3〜4本前後)も70年代のアイテムに多く見られる。

シルエット

  • パンツ:ワイドレッグ、フレアシルエット。股上が深く、腰でゆったり履くカットが典型
  • ジャケット・ブルゾン:肩が角張った箱型。ウエストシェイプは少ない
  • シャツ:大きく開いた衿(ラージカラー)、チェストの大型ポケット

カラー

ブラウン、タン、キャメル、マスタード、バーントオレンジ、オリーブが代表色で、全体的にアースカラー・彩度低めのくすんだトーンが多い。

主なブランドと製造国

Sears(Toughskinsなど)、JC Penney、Landlubber、Wrangler、Levi'sなどが「Made in USA」でコーデュロイアイテムを大量生産していた時代にあたる。ラベルにMade in USAの記載があり、かつWPIが小さい太畝であれば70年代の可能性がある。

80年代コーデュロイの特徴

80年代になると、コーデュロイの畝は細くなっていく傾向がある。プレッピースタイルの流行と連動して、細畝(ピンウェール)コーデュロイのスラックスやスポーツコートが普及した。

シルエット

  • パンツ:テーパードレッグ、股上浅め。70年代の大ぶりなシルエットとは対照的
  • ジャケット・ブレザー:肩パッドが入ったもの(特に80年代後半)、ウエストが絞れた形
  • 細畝ブレザーはプレッピーの定番とされ、当時の大学生向けカタログ誌面にも広く取り上げられていた

カラー

ネイビー、バーガンディ、ダークグリーンなど、濃く鮮明な色が増える。70年代のくすんだアースカラーとは異なり、クリアでコントラストのある配色が特徴だ。

製造国の変化

80年代を通じて、アメリカンブランドの生産拠点が韓国・台湾・香港へ移行し始める。ラベルに「Made in Korea」「Made in Taiwan」が見られるようになるのはこの時期からで、70年代の「Made in USA」優勢とは様相が変わる。

ラベルから年代を絞り込む

ラベルの内容を複数組み合わせると、年代推定の精度が上がる。

ケアラベル(洗濯表示)の有無

アメリカでは1972年にFTCケアラベリング規則が施行され、以降の新製品へのケアラベル添付が義務化された。ケアラベルが縫い付けられていない場合、1972年以前の製品である可能性が高い(ただし規則の対象外となる例外品や、後からラベルを取り除いたケースも考えられるため、他の要素と合わせて判断することが重要だ)。

RNナンバー

アメリカのラベルに記載される「RN○○○○○」はFTCへの事業者登録番号だ。FTCのオンラインデータベース(2026年執筆時点で公開中)で検索するとメーカー名が確認できる。ブランドの設立・廃業年と照合することで年代を絞り込める。

ジッパーの刻印

アメリカ製パンツにはTalon(タロン)、Scovill(スコービル)、CONMARなどのジッパーが使われることが多く、YKKが台頭するのはその後だ。ジッパーの刻印ブランドが判明すれば各社の操業時期と照合できるが、在庫品の流用もあるため、ジッパー単独での年代断定は避けた方が無難だ。

判定チェックリスト

確認ポイント 70s寄りのサイン 80s寄りのサイン
WPI 4〜8本(太畝)が多い 14本以上(細畝)が増える
シルエット ワイドレッグ・フレア テーパード
カラー アースカラー(ブラウン系) ネイビー・バーガンディなど
ケアラベル ない場合は1972年以前の可能性 あるのが標準
製造国 Made in USA Made in Korea / Taiwan が混在
ジッパー Talon / Scovill YKK が増える

複数の要素が同じ方向を指しているとき、年代絞り込みの信頼性が上がる。逆に1つだけが食い違うときは、後から交換されたパーツや例外品の可能性を考慮するとよい。カーハートのデトロイトジャケットのようなワークウェア系は独自のラベル体系を持つ場合もあるが、基本的な確認の流れは共通だ(古着カーハート デトロイトジャケット サイズ感と実測も参考になる)。

まとめ

コーデュロイの太畝・細畝はWPI(1インチあたりの畝の本数)で判断するのが最も客観的な方法だ。70年代はWPI 4〜8本の太畝+ワイドシルエット+アースカラーの組み合わせが典型で、80年代は細畝・テーパード・クリアカラーの方向に移行していく。ケアラベルの有無・RNナンバー・製造国・ジッパーを組み合わせることで、推定の精度がさらに上がる。

まず手元にあるコーデュロイアイテムを定規1本でWPI計測してみてほしい。「なんとなく太い」という感覚が数字として整理されると、次に古着を選ぶときの判断軸がより明確になる。

この記事で触れたもの

よくある質問

コーデュロイの太畝と細畝はどうやって見分けますか?

1インチ(約2.5cm)の範囲に何本の畝があるかを数えます(WPI)。4〜8本程度なら太畝、14本以上なら細畝が目安です。生地を引っ張らず、斜め照明を当てると頂点が見えやすくなります。

70年代のコーデュロイパンツの特徴を教えてください

WPI 4〜8本の太畝、ワイドレッグ・フレアシルエット、ブラウンやマスタードなどアースカラーが典型です。「Made in USA」ラベルが多く、ケアラベルがない場合は1972年以前の可能性があります。

コーデュロイにケアラベルがないと何年代ですか?

アメリカではFTCの規則により1972年以降の新製品にケアラベル添付が義務化されました。ケアラベルがない場合は1972年以前の可能性が高いですが、後からラベルを取り除いたケースもあるため他の要素と合わせて判断してください。

80年代のコーデュロイの見分け方を教えてください

テーパードシルエット、細畝(WPI 14本以上)、ネイビーやバーガンディなどクリアな濃色、「Made in Korea」「Made in Taiwan」ラベルが80年代以降のサインです。複数の要素が一致するほど推定の信頼度が上がります。